子猫の里親募集体験記⑳: 今一度考えよ!『誰のための保護猫活動か?』編

子猫の里親募集体験記

兄はちをうちのコとして迎え入れようとした本当の理由

私が兄はちを迎え入れることを決断できない以上、YOさんの希望を断ることはできない。
情報サイトに募集記事を引き続き掲載していた筋も通すべきだ。
YOさんよりも私のほうが兄はちに幸せな環境を与えられる自信は持てなかった。
もしかしたらYOさんの家族として過ごす猫生のほうが兄はちにとって幸せかもしれない。
YOさん家族は、兄はちにとって待ち臨んだご縁かもしれない
私のエゴで兄はちの一生を左右することは身勝手極まりない。

私のエゴ・・・
私は兄はちに愛猫ほおづきの面影を重ねている。
よく見ると(よく見なくても)2匹の共通点は「はちわれ模様」というだけで、目の色も毛の長さも違う。
それでも兄はちに愛猫を重ねてしまうのは、彼の甘え方や仕草が似ているからだろう。
兄はちがまだ生後2か月くらいの頃、自宅周辺を母猫とうろつく姿を見かけた瞬間、例えようのない気持ちに襲われた。

「神様もなかなかエグいことしますね😑
ほおづきに似た子猫を私の目の前に送り込むなんて・・・」

神様から与えられた試練⁉

今回、子猫たちを保護したのはもちろん、事故やカラスからの攻撃を回避するためだ。
だが心の片隅に、どこかほおづきに似た子猫を放っておけない気持ちも確かに存在した。
もしも保護した子猫が兄はち1匹なら、おそらく保護猫活動はしていなかったと思う。
1匹なら何とかなると考え、うちのコにするために保護していただろう。
でも現実は4匹もいた。
さすがに4匹は無理だ。

神様(猫の神様?)からの試練だと思った。
目の前に現れた子猫たちを放っておけない性格を神様は見抜いていたのだろう。
しかも愛猫の面影がよぎる模様の猫が目の前に現れたら・・・

保護するのか?
それとも見ないふりするのか?

その時点ですでに神様に試されていたのかもしれない。
試練に耐えきれず4匹とも自分で受け入れていたら、今頃は多頭飼育崩壊への道を歩んでいたかもしれない。
だがもし試練に耐えられるのなら、4匹とも安心して託せる里親を探してきちんと手ばなすことができるはず。
神様は私をそう評価していてくれてたのだろうか。

そして最大の試練が兄はちが最後まで残ること。
それが神様の狙いだったのかもしれない。

今回に限らず、今後も虹の橋在住となった愛猫たちと似た野良猫に遭遇するたびに自分の家族にしようと保護するのか?

保護活動期間中、ずっとそう問われてきたような気がする。

誰のための保護猫活動なのか? 今一度考えよ!

私の不純な気持ちを兄はちが知ったらどう思うだろう。
猫なので『気持ちを知る』というのは擬人化が過ぎるのかもしれないが・・・
私が兄はちに愛猫の面影を重ねていることは確かだ。
保護猫活動を始めてから幾度となく繰り返す自問自答。


時間が経てば愛猫の面影は薄くなり、純粋に兄はち本猫を見ることができるのか
それともすでに兄はちを『兄はち』として愛おしいと思っているのか
未だ兄はちに亡き愛猫を重ねて見ているのではないか
故に『私自身のため』に兄はちをうちのコとして迎えようとしているのではないか

正直なところ、自分でもわからない。
今一度、考える。

誰のための保護猫活動なのか?
もちろん、私のためではない。
子猫たちのためだ。
どうすれば子猫たちが幸せな家猫になれるのか?
子猫たちの里親募集をはじめた時点で、私はただの『保護主』だ。
保護猫活動の主役はあくまで猫たち。
里親希望者とのご縁を引き寄せたのは私ではない。
SさんもOSさんもYOさんも。
皆、猫たちを見て「ぜひうちのコに」と思ってくれたから連絡をくれた。
ご縁を引き寄せたのは猫たち自身。
私にその『ご縁』を奪う権利はない。
私はその『ご縁』の元へ送り届ける役割を与えられた。
とても喜ばしい役割なんだ。

私の前に漂っていた霧がゆっくりと晴れていく。

神様からの念押しの試練?

YOさんから再びメールが届いた。
YOさんとお母様から医療費用や性格(人見知り)についても理解を得られとのこと。
「ぜひ家族として迎えさせてほしい」とも書かれていた。
気持ちはすごく有難いが、人見知り面会の件もあるのでまずは面会することが先決だ。
そこで双方の都合を合わせてこちらから訪問したい旨を伝えた。
お二人の仕事の都合もあり、訪問日は2週間近く先になった。

これまた・・・神様はなかなかを試練を緩めてはくれないなぁ😥


私としては自分の気持ちが安定しているうちに、早めに訪問したかったのだがこればかりはしょうがない。
訪問日までのおよそ2週間、兄はちとえにしのプチ同居生活が続くことになった。

何事もプラスに考えることにした。
訪問日までの時間を悔いの残らないように過ごそう。
万が一、YOさん家族と兄はちの相性が合わずに彼がココへ戻ることになったら、そのときはためらいなくうちのコにすればいい。
神様が私と兄はちのご縁を結んでくれた、そういうことだ。
でも多分、そうはならない😌
何となく、予感はしていた。
きっと、兄はちはYOさん家族の一員になる😊

気持ちを新たに再開するプチ同居生活

YOさん宅への訪問日も決まり、気持ち新たにプチ同居生活を続けた。
えにしも兄はちの存在にだいぶ慣れてきた様子だった。
たまに別部屋で過ごすしろみ&くろみ(通称みぃこ)とも顔を合わせたが、すたこらさっさと逃げられていた🤣
しろみこ(2匹をまとめたときの呼称)もまた人見知りが激しく、2匹はどうやら猫見知りもあるようだw
そりゃ、えにしとも仲良くなれないはずだね😅

おちびさんたちと一緒に過ごしているときは常におもちゃを譲っていた兄はち。
自宅では思う存分におもちゃを独り占めして遊んでいた。
えにしは保護当時からあまり遊ばないコだった。
10歳のシニアになった今はなおさら遊ばない😅
それでも一通りのおもちゃは常備してある。
年に一度か二度、あるかどうかという『気まぐれ』が発動して遊ぶことがあるからだ。
兄はちが楽しそうに遊ぶ姿に感化されて、その『気まぐれ』が発動してくれればいいなと思いながら毎日を楽しく過ごした。

家猫生活の長いえにしはすっかり人間の生活リズムで毎日を過ごしている。
そのため、23時頃になると自分の寝床で寝る態勢に入るのだが・・・
遊びたいさかりの兄はちはまだ野生のリズムが残っているため、とにかく夜中は元気いっぱい。
おもちゃだけでは遊び足りず、ダブルクリップや洗濯ばさみ、マスキングテープなど小ぶりなアイテムを見つけては遊んでいた。

さんざん遊んで疲れたらようやく眠りにつく。
それがだいたい1時か2時頃。
寝床で寝ているえにしを見つけると「ボクも入りますよ~」という感じで入ろうとする。
そしてえにしに怒られるwww

久しぶりに猫のリズムで生活したが、昼間に眠気に襲われて結構大変だった😅
当の兄はちは日中は職場の保護ハウスにおり、まるで夜遊ぶために寝貯めしてるのかというくらい爆睡していた。
おそらく、えにしも自宅で爆睡しているだろう😊

さぁ、行こうか、兄はちくん😄

楽しかった2週間はあっという間に過ぎた。
兄はちと過ごす最後の夜。
兄はちの譲渡が成立すると同時に私の保護猫活動も終わりを迎えることになる。
さみしいような、ホッとするような・・・
実に感慨深い😌

「最後の夜なので贅沢に」と行きたいところだが、えにしが糖尿病のため同じ部屋ではおいしいご飯(ウェットフード)はあげられない。
食いしん坊のえにしは鼻がよく利くのだ。
そのため同じ部屋で兄はちだけにおいしいご飯をあげるのは難しい、というか無理😣
兄はちだけケージ内であげてもいいのだが、ケージレストすると甘えた声で鳴き続けるのでそれもできなかった。
結局、特別に何かをしてあげることはなく、いつものようにえにしと私と一緒の空間で過ごした。
今思えば、それとも三者ともに一番の贅沢だったのかもしれない😊

掲載するのをためらった一枚💦兄はちにもえにしにも全然関係ないけど・・・書棚が乱雑で恥ずかしすぎる😖

新しい朝が来た。
いよいよ、YOさん宅に訪問する日を迎えた。
この日を一番待ち望んでいたのはYOさんご家族だろう。
きっと「今か今か」と心待ちにしているはずだ。
実に有難いことだ。
このご縁がしっかりと結ばれるように、私は私のやるべきことをしっかりとやろう。

さぁ、行こうか、兄はちくん🚗

🥰体験記を始めから読みたい方はこちら: 「 プロローグ 」https://jihonaen.conohawing.com/zakki-satooyaboshuu/

🥰続きを読みたい方はこちら:
㉑「 素敵な思い出をありがとう🤗保護ハウス最後の卒業生第4号 」編https://jihonaen.conohawing.com/zakki-satooyaboshuu-21/

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