カエルの輪唱ならぬ『猫の輪唱』たまに『合唱』
2024年2月某日。
にわか雨は降るものの、わりと晴れ間の多い日だった。
私と上司、そしておちびさんたちは保護ハウスのある職場からOSさんの家へと向かった。
キャリーケースに入れられてしばらくは大人しくしていたおちびさんたち。
動物病院の往復で何度か乗車したことがあるせいか、少しのドライブには慣れた様子だった。
だがそれもほんの30分程度しか持たなかった。
どうやら30分が彼らの許容範囲らしく、30分経過したあたりからどちらかが鳴き始めた。
はじめは「にゃーん😿にゃーん😿」程度のかわいい鳴き声だったのが、次第に「みぎゃー!んぎゃー!」と激しく輪唱。
それはもう力いっぱい大きな声で輪唱と合唱を繰り返した。
いつもより長めのドライブを初めて経験するおちびさんたち。
ようやくいつものドライブとは違うことに気づいたようだった。
鳴くたびに上司がキャリーケースのドアを開けておちびさんたちをあやしてくれた。
上司に同行してもらってホントによかった😓
私ひとりではおちびさんたちの激しい輪唱に対応できなかったと思う。
そもそも運転中だし🚗💨
出発から1時間半ほどでOSさんの住む住宅街に入った。
ITオンチだけでなく、方向オンチもある😨私は住宅の多さに少し戸惑った。
方向オンチゆえカーナビの指示もいまいちピンとこない。
カーナビに「南方向へ」と言われても「南ってドコよ⁉」となる。
「ココかな?」とヤマ勘で目星をつけるのは得意だが、今までに「ほらね😤」と勘が当たった試しはない。
それなのに今回も「おそらくこの辺りだろう」と小道に入る。
もちろんヤマ勘なのでその小道で合っているのかはわからない。
だが今回は珍しく勘が当たった😆
集合住宅の一室、その玄関先で手を振る女性を見つけた。
笑顔のとても素敵な女性。
それがOSさんだった。
しし柄パニック第1ステージ@キッチン😖
車を停め、手を振るOSさんの元へと歩みより、玄関先で軽く挨拶を済ませる。
いよいよ訪問面会が始まった。
OSさん宅のリビングで保護までの経緯や保護生活中のおちびさんたちの様子を語った。
時折、ちょっとした雑談も交えながら人間たちは盛り上がった。
その間、おちびさんたちはというと・・・
実は全く鳴かなかった。
車内では大声で鳴いていたはずの2匹はまるで気配を消しているかのように静かだった。
おそらくキャリーケースの中で着々と『人見知りモード』に入っていたのだろう。
そんなおちびさんたちの心を置き去りにし、私は早々にキャリーケースから彼らを解放してしまった。
今思えば、大胆かつ軽率なことをしたと深く反省している😔
まずはキャリーケースの中にいる状態でOSさんと息子さんに面会してもらうべきだった。
「面会を心待ちにしていたOSさんたちに早くおちびさんたちを紹介したい」
「おちびさんたちのかわいい顔を早く見せたい」
その一心だった。
今となってはその思いもただの言い訳にしか聞こえないかもしれない😞
キャリーケースの扉を開けるとおちびさんたちはじっと私の顔を見つめてきた。
ケースから急に飛び出すことはなく、頭だけをひょこっと出してからゆっくりと床に着地。
と、同時にちびはちは近くにあるソファー下に一目散にもぐりこんだ。
あっという間に手の届かない奥へと立てこもる。
ちびはちに気を取られていると、しし柄がリビングを突き抜けてキッチンで爆走し始めた😱
それは決して「わーい♪」というような楽しさからの行動ではなかった。
どちらかというとパニックで闇雲に走っている感じだった。
棚のものを蹴飛ばし、キッチンツールをことごとく落としていくしし柄。
「あっ!」と思う間もなく冷蔵庫の上へと駆け上がり、身を隠すように縮こまった。
しし柄としては「隠れなきゃ💦」の一心だったのだろう。
だが見ているこっちは気が気ではなかった。
瞬間的に脳裏に悪い展開ばかりがよぎる。
冷蔵庫はヤバいって😫
ケガでもしたらOSさんに気を遣わせてしまう
OSさんに迷惑をかけてしまう
私も上司もひたすら「すみません💦」を連呼。
しし柄を確保するべくあたふたとキッチンへ移動する。
だがそこはベテラン猫飼いさんのOSさん。
冷蔵庫の裏に入り込まないようにすでにネットが敷かれていた。
もしかしたら歴代の愛猫ちゃんたちもお転婆娘だったり、やんちゃ坊主だったのかもしれない。
ひとまず冷蔵庫の上で落ち着きを取り戻せるよう放置し、譲渡条件や負担金などの話を進めることにした。
しし柄パニック第2ステージ@リビング😫
雑談を交わしながら人間たちが楽しく過ごす中も冷蔵庫の上で微動だにしないしし柄。
そんなしし柄を息子さんはずっと気にかけてくれていた。
頃合いを見て、息子さんが冷蔵庫の上からそっとしし柄を救出。
その後、息子さんの腕の中で暴れることなく置物のように動かなかったが・・・
しばらくすると息子さんの腕から抜け出し、今度はリビングで大暴れ😱
リビングに常置されている猫トイレの砂を巻き散らかしながら棚をよじ登る。
だが体がまだ小さいうえにパニクっていることもあってうまく登れない。
手足をバタつかせながら、棚に飾ってあるものを片っ端から蹴落としていった。
棚には絶対に落として欲しくないものもあり、上司と二人で肝を冷やした。
私たちは再び「すみません💦」を繰り返すことに😨
狼狽する私たちをよそにOSさんは「いいよ~そのままにしといて~👌」と余裕の笑顔。
OSさんも息子さんも一連の騒動に全く動じることがなかった。
2人の器の大きさに感心・感謝するも心苦しさが勝り、私は冷汗が止まらなかった。
散々パニクったしし柄は、最終的には砂を巻き散らかした猫用トイレの後ろに立てこもった。
再び頃合いを見て息子さんがしし柄をそっと引き寄せて抱っこする。
思えば、息子さんはずっとしし柄を気にかけてくれていた。
その気遣いは、ただ単純に『かわいいから気になる』ということではない感じだった。
息子さんを引き付ける『何か』がしし柄にあるのだろう。
怖いと思う気持ちを少しでも和らげてあげたい、
何とか落ち着かせてあげたい🤓という思いがそこにあったのかもしれない。
(※私個人の勝手な感想ですけどw)
リビングでの騒動が気になったのか、ソファー下にもぐったちびはちが手の届くところまで近づいてきた。
ちびはちを怖がらせないようにそっと引き寄せてOSさんに渡す。
OSさんもまた、驚かせないようにゆっくりと、そして優しい笑顔で話しかけながらちびはちをぎゅっと抱きしめた。
「聖母ってこういう人のことを言うんだろうなぁ」
『名前』はどうなる⁉ノリノリのOSさんとタジタジの私😨
息子さんがしし柄を、OSさんがちびはちを抱っこしながら『名前』についての話になった。
おちびさんたちには名前がない。
投稿記事に『素敵な名前をプレゼントしてほしい』と記載していたのでOSさんもそのことは知っている。
仮とはいえ、アルファベット一文字の仮名を付けてしまって申し訳ないと話す私に、OSさんは「いいんじゃない👍」と話し始めた。
👩OSさん:
はちわれ(ちびはち)ちゃんが『A』?
キジトラ(しし柄)ちゃんが『C』なの?
そのままエーちゃん、シーちゃんでもいいんじゃない👍?
🐷私:
えっ😶⁉
イヤイヤイヤイヤイヤ✋
それはちょっと・・・😥
とてもノリの良いOSさんの提案に正直焦りが隠せない。
OSさんがそれで良いと言うのであればこちらも賛成するべきなのかもしれない。
だが私はアルファベットにしたことを猛烈に後悔している。
そのアルファベットを思い出すような名前だといつまでも後悔の念が残ってしまう。
何とか考えをそらせないか、思考を巡らせたが気の利いた言葉が見つからなかった。
🐷私:
エーちゃんだと矢沢永吉みたいですよ?
👩OSさん:
いいね~♪永吉くん。
さすがに『矢沢』とは付けられないねwww
これまた、ノリ良く返されてしまった。
もしかしたら私は余計な一言を言ってしまったかもしれない😑
「あはは😓まぁ、ゆっくり考えてください」
そう言ってその場はやり過ごした。
多少、後ろ髪を引かれるがこればかりはしょうがない。
私に名付けの権限はないのだから。
(ポリシーに則るとそうなるよね😓)


こんなときの私の『勘』は当たるんだ~🥰👌
おちびさんたちがだいぶ落ち着いたようなので、そのまま良い雰囲気を保ったままで私と上司はお暇することにした。
OSさんは見送りをしようとしてくれたが、その腕の中にはちびはちがいた。
息子さんの腕の中にはしし柄がいる。
その様子はすでに『家族』に見えた。
暖かい光がその場を包み込んでいるような雰囲気だった。
もちろん、私に『オーラが見える』みたいな第六感的な能力はない。
何となく感じた一種の『勘』かな?
何となくね😉
一応、「何かあれば」と言葉は残した。
だが万が一何かあっても、おそらくOSさんはおちびさんたちを受け入れてくれるような気がした。
ただ・・・
しし柄が散々暴れまくってしまい、かなり迷惑をかけてしまったことは確かである。
加えて『停留精巣(の可能性)』の件もある。
ゆえに一概に「100%譲渡成立に自信アリ👍」とは言えなかった。
「2匹のこと、よろしくお願いします」
そう伝え、上司とOSさん宅をあとにした。


『この人なら、この家族なら』安心して託せる家族にやっと出会えた😊
面会は『終始和やか』とはいかなかった。
だが、初日におちびさんたちの実態を知ってもらうには案外良かったのかもしれない。
トライアル期間中、OSさんはまめにおちびさんたちの様子を報告してくれた。
写真や動画も送信してくれたので、おちびさんたちの様子がとてもよくわかった。
文章に絵文字やスタンプも使われていて、OSさん自身が猫との共同生活を楽しんでいることが伝わってきた。
OSさんからの報告の中でひとつだけ気になることがあった。
ある日、ベッドに排尿している写真が送られてきた。
頭によぎるのは『トイレの失敗』という言葉。
トイレの失敗は『粗相』の可能性も考えられる。
『マーキング』の可能性もある。
トイレトラブルは解決がなかなか難しい。
トラブルの原因が病気によるものなら対処法もあるかもしれない。
だが心の問題だと結構大変だ。
実際、私はその問題に直面しているのでよくわかる※。
(※自宅組猫のしろみがそのトラブルを抱えており、現在解決のために奮闘中😵💫)
猫は環境の変化に弱く、ストレスが原因で粗相が始まることもあると言われている。
慣れてくれば自然に粗相もしなくなるかもしれない。
だからといってこちらから「しばらく様子を見るように」と強制することはできない。
トイレのことでおちびさんたちの迎え入れが難しく、返上を希望するのであれば受け入れることを伝えた。
ドキドキしながらOSさんからの返答を待った。
OSさん:
「ベッドでのおしっこは『出た』という表現なので大丈夫です」
「まだ長時間一緒にいられないので様子見します」
それがOSさんの答えだった。
どうやら私の『早とちり』だったらしい😅
やはり、OSさんは器の大きい人だった。
トライアル終了間近になると「確実に慣れてきてます😊」と絵文字付きで報告がくるようになった。
開始直後の報告では、ソファーやテーブルの下で2匹で縮こまっている写真が多かった。
それが次第に動きのある写真に変わっていった。
おどおどしていた表情も少しずつ穏やかになっていった。
『この人なら、この家族なら、安心しておちびさんたちを託せる』
そう確信したのはいうまでもない。


OSさんと息子KTさんとのご縁に感謝😌
これからキミたちを愛し守ってくれるのはOSさんとKTお兄ちゃん。
キミたちは彼女たちと幸せになるために生まれてきたんだ。
12月以降、全く問い合わせがなかったのは、OSさんが情報サイトに登録するまでの待ち時間だったんだね。
ご縁の神様もずいぶんと粋なことをしてくれる😏
全く問い合わせがなかったときの辛さや不安さえも、今となってはいい思い出になったよ。










私にたくさんの幸せを与えてくれたおちびさんたちは保護ハウスを卒業した。
暖かい春の風が吹く2月のお天気雨が降る日。
それは新たな家族のもとでたくさんの幸せに包まれて歩む彼らの、猫生のはじまりの日。






猫界一、幸せな家猫であれ!
🥰体験記を始めから読みたい方はこちら:「 プロローグ 」https://jihonaen.conohawing.com/zakki-satooyaboshuu/
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⑲「ツンツンえにしに興味深々の兄はち😻プチ同居生活はじめました 編」
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